指導者自身が、「楽しむこと」が出来るということであれば、
では、「楽しませること」は、どうすればいいのでしょうか?
長く教育の場にいると、さまざまなノウハウがそこに蓄積されます。そのなかでもコミュニケーションの取り方が、もっとも大きい物かもしれません。
いくらよいテキストを使っても説明の仕方が悪ければ、なにも伝わりませんし、理解もしてもらえません。
生徒は、いろいろなタイプの人がいますし、目的意識も年齢もすきなジャンルもやりたい事も違い、様々な違いにより同じ言葉でも反応が変わり、ある生徒に通じたやり方が、他の生徒には逆効果であることもあります。
伝えたい事とやってもらいたい事をしっかり組み立てた指導をすると、生徒は納得して次のレッスン日までに練習をしてきたり、予習・復習をしてきます。
このことから、レッスン内容の組み立ては重要なポイントになります。それが、その日だけの物と、長く考えたカリキュラムが必要だと言うことになります。
しかも、生徒によっていろいろな違いがある訳ですから、手法もいろいろ用意しなければならないし、言い方も変えなければなりません。
ここで、重要な要素がコミュニケーションと生徒の反応です。生徒の様子が分かれば今何を指導しなければならないかが分析できますから、そのことに対して重点的に指導し、出来るだけ理解してもらうことに繋げて行きます。この時のコミュニケーションの取り方は、一方的ではなく、生徒にどこが分からないか何が障害になっているかなどを、こちらの質問で引き出します。
こちらのペースで、進める事が出来ればカリキュラムの中で、ここがポイントだということは示しやすいし、ここだと思えるところは重点的に指導しますから、伝わりやすいと思いますが、生徒の状態を引き出す事が出来たとしても、それに対応する手法を持っていなければ、伝える事ができません。
ここで、これらの事を含めて、「楽しませる」ということが出来るのでしょうか?
まずは、こちらが自信たっぷりで、しかも元気よく話しかけて行く事から始まりたいですね!暗くて取っ付きにくい先生は、一歩引いてしまいますよねえ(笑) かと言ってやたら大きい声を出すという事ではありません、講義系で沢山の生徒を前にするなら多少大きな声が必要ですが、マンツーマンなら生徒より少し大きいぐらいの声がいいかもですね!
「こんにちは」、「練習はどうですか?」、「最近はどんなCD聞きました?」、「先週の事は理解出来ていますか?」、「風邪は治りましたか?」、「楽器の調子はどうですか?」、etc.
バンド活動している生徒なら「活動の方はどうですか?」、「ライブはどうでしたか?」、「リハとかは定期的にできていますか?」、etc.
トータル的に勉強している生徒なら「理論はどうですか?」、などから、出発してもいいし、世間話でもいいですね!「今日は少し暑い(寒い)ですね」、「昨日のニュースで・・・・」、「仕事は忙しいですか?」、「野球・・・・」、「F1・・・・」、「サッカー・・・・」、etc.
コミュニケーションのきっかけが出来れば、レッスンの中身に入って行くのが楽ですから、導入部分として、少し関係のないようなことを話す事もあるかもしれません。
そこから、指導者のレッスンのペースに入って来てもらうように導き、生徒が「頑張るぞ」と言う気になってくれたら、こちらのペースでレッスンを進める事ができ、その日のポイントになるところをピークとして、生徒が満足するところまで、多少頑張らなければならないことがあったとしても、充実したレッスンと感じる事ができれば、生徒には達成感が生まれ生徒が「楽しむ」ことができることに近づきます。
どんどんピークに近づけて行く時に、頭ごなしではなくその生徒にあった指導の手法で、接して行く事が大切です。
生徒が「楽しむ」為には、ワクワクしないと行けないですし、もう少しすると出来るかもしれないという期待感も必要です。その後に、達成感と充実感があれば、「楽しいなあ」と感じてもらえると思います。
これらのことから考えて、「楽しませる」ということは、指導者のレッスンの準備が十分で来ている事を前提として、指導者のペースでレッスンを進めて行き、コミュンケーションをしながら、生徒の状況を把握して適切な手法を選択し、生徒に達成感と充実感を味わってもらえる指導して行く事ができるなら、「楽しませること」ができるということです。
指導者として生徒を「楽しませる」ことが出来るように、普段から資料や音源、指導手法の研究などを、追求して蓄積していきたいですね。
次回は、「楽しんでもらうこと」です。
soulty403
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テーマ : レッスン
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